作者の上海便り (2003/7/6〜)

ここでは、作者が2003年7月より赴任している上海に関する情報や日々、暮らしていて感じることなどを綴っていきたいと思います。


上海の基本情報 (2003/7/6)

1、上海の地勢・気候:

上海は、世界第3位の長さを誇る長江(揚子江)の河口近くに位置する中国最大の経済都市です。 また、東海(東シナ海)をのぞんだ天然の良港に恵まれ、市内を流れる黄浦江が水運路として機能しています。 高速道路網が急速に整備され、国際空港が2つ(浦東、虹橋)もある陸・海・水・空の交通の要所です。

市内中心部には今の中国を象徴する高層ビルが次々と建設され、世界初の商用リニアモーターカーが整備されるなど変化の激しい上海ですが、その一方で近代ヨーロッパの街の雰囲気を思わせる石造りの洋館と、一般庶民の素朴な生活が共存しています。

さらに、歩行者天国となった南京東路の雑踏の中を大騒ぎして闊歩する人々や、ウインドショッピングを楽しむ主婦や家族連れ、自由市場の活気、携帯電話片手に淮海路を流行のファッションで歩く若いカップルの姿などを見ると、ここはどこの国かと目を疑ってしまいます。

上海は北緯31度で、鹿児島県と同じ緯度です。 といっても、春・秋は比較的短く、そのうえ最高気温が35度をこえる夏の暑さと、最低気温が零下にまで下がる冬の寒さが特徴です。


●上海の面積
約6,340km2(茨城県とほぼ同規模)
●上海の人口
1,674万人(2000年常住人口)。 戸籍人口は1,321万人
●気候(2000年)
年平均気温 17.6℃
年間降水量 1302mm


中国の物流の中心地として栄えている上海ですが、宋・元時代も江南一帯の物流の中心地でした。 現在の上海市の基礎が築かれたのは南宋時代の13世紀末で、それまで栄えていた青浦県内あたりから上海鎮に港町を移したことに始まります。

1553年には倭寇の進入を防ぐために南側に4km以上にも及ぶ城壁と堀が作られましたが、1911年の辛亥革命後城壁は取り壊され、堀も埋められました。 現在その跡地は道路として利用され、北半分が人民路、南半分が中華路となりバス通りとして現在にいたっています。

1842年、アヘン戦争終結後に結ばれた南京条約により上海港が開港し、1845年にイギリス租界がおかれ、その後アメリカ租界やフランス租界が開かれました。1863年には英米の租界は共同租界となり、日本人が多く住む地区は「日本租界」ともいわれました。この租界の一角は第二次世界大戦終結まで中国の主権の及ばない外国人居留区として存続しました。その間1921年には中国共産党がここ上海で結成されています。

1949年、新中国が成立し上海は北京、天津ともに省と同格の直轄市に指定され、中国最大の工業、科学技術、貿易基地として発展を続けています。上海は現在18市区と1県に分かれ、さらにその中に153の鎮、3の郷が存在しています。

2、上海の経済:

上海は中国最大の経済の中心地であり、鉄鋼、機械、造船、電子、化学、石油加工、紡績、医薬、印刷、軽工業など全般にわたり全国の主要な地位を占めています。 また全国最大の商業、流通の中心であり、世界第3位の貨物取扱量を誇る上海港を有するなど国際貿易においても重要な役割を果たしています。  最近では江蘇省や浙江省などの地域を後背地とした上海経済圏中心として、日本やアメリカなど諸外国から投資が盛んです。

(1)経済成長率の推移      単位:%

  96 97 98 99 00 01
上 海 13.0 12.7 10.1 10.2 10.8 10.2
全 国 9.6 8.8 7.8 7.1 8.0 7.3


(2)外資導入状況              単位:億ドル件

  96 97 98 99 00 01(前年比)
件 数 2,106 1,802 1,490 1,472 1,814 2,458(35.5%)
金 額 58.1 53.2 58.5 41.0 63.9 73.7%(15.3%)


●上海の主な輸出入品(2000年)
・輸出品  服飾品、電気機械製品、紡織織物類、産業用機械、鋼材など
・輸入品  電機機械類、紡織織物類、産業用機械、鋼材、医薬品など

●消費ブームの推移
 第1次(1978年〜1984年)白黒テレビ、洗濯機
 第2次(1984年〜1988年)カラーテレビ、冷蔵庫
 第3次(現在)大型テレビ、ビデオカメラ、パソコン、携帯電話

●主な経済開発区
 虹橋経済技術開発区(上海市西部 6.5km)開発区の概要へ
 浦東開発区(上海市東部 15km)開発区の概要へ

●上海の農業(2000年)
 農業総生産額 216.5億元
 主要農産物生産量(万トン)

 
穀物・・・・・・・ 174.0
野菜〈出荷量〉・・ 377.0
スイカ、メロン・・ 49.8
果物・・・・・・・ 22.5
牛乳・・・・・・・ 25.9
豚肉・・・・・・・ 25.9
卵・・・・・・・・ 16.9


3、上海への事業展開:


上海に限らず、中国に事業展開する際に留意すべき点として以下の点があげられます。

(1)日本国内での会社設立とは違う

外国企業が中国で事業展開する場合には、国務院が定めるガイドラインである「外国企業投資産業指導リスト」・「中西部地区の外国企業投資優勢産業リスト」に従わなければなりません。2002年4月1日から施行された新リストでは、371の産業を「奨励」・「許可」・「制限」・「禁止」の4項目に区分しています。中国に投資をしようとする外国企業はこのリストに従い、プロジェクトごとにフィージビリテイスタデイを作成し限定された範囲でその設立が許可されます。

日本では会社設立は一般的に自由ですが、中国ではまだまだ多くの制限があることを理解下さい。
(2)念入りな事前調査と人脈づくり
(a)社内で十分な意思統一を
中国進出には設立に必要な資金のみならず、駐在員の派遣や債権回収がなかなか難しいなど、中国独特のリスクもあり思った以上の経費がかかります。

このため進出に当たっては、中国になぜ進出するのか、資金はどこまで出せるのかといった基本的事項について社内で十分なコンセンサスを得ると同時に、現地幹部に思い切った権限を与えるなど、中国の事業展開に最も適した手法を選択することが大事です。
(b)相手方企業の十分な調査と詳細な取り決めを
外国の企業が中国に進出する場合には合弁・合作・独資の3形態の進出方法があります。最近では外国資本のみによる独資の進出が多くなっていますが、産業によっては中国企業との合弁や合作が条件となる場合もあります。

ところで、合弁・合作方式を選択する場合パートナーとなった中国企業との関係がうまく行かなくなり、進出に失敗したという例をよく聞きます。単なるム ードで進出を決めたり、相手方企業が国有企業だからといって安心はできません。相手方企業の信用調査はもとより、会社設立の際には自社の不利益にならないようあらゆる事態を想定して(撤退する場合も含め)、取り決めを行う必要があります。この取り決めは必ず文書化し、弁護士など専門家のチェックを受けたほうが良いでしょう。
(c)必要な人脈つくり
中国は「人治の国」と言われるように様々な人脈(コネ)を使えないと十分な事業展開ができないところです。本格展開する前に、技術援助や委託加工、研修生の受け入れといった関係を通じて人脈をつくり、後日の本格展開に活用する方法もあります。さらに、現地法人を設置する前に駐在員事務所設け、必要な市場調査や事業の展開方法を調査検討し十分な人脈もつくった上で現地法人を設置するといった方法もあります。

いずれにしても、進出先の各級の政府や関係機関の職員との間には良好な人間関係を築くことが必ず必要です。

(3)常に新しい情報の入手を

中国は2001年12月WTO(世界貿易機関)に加盟しました。これまで外国企業が中国国内で事業展開する際には多くの障壁がありましたが、WTO加盟に伴い関税率の引き下げや新しい分野に外国企業の参入を認めるなど、中国の投資条件を世界水準に適合させるべく多くの分野で規制緩和や改革がなされる見込みです。中国ではこれまでも法律や制度などがよく変りその都度様々な弊害が指摘されていましたが、ここ数年は制度の改変もより頻繁にあると思われますので、いろいろな機会を利用しより精度の高い情報の入手に努め、その上で適切な判断を行うことが肝要です。

このためには各級の政府関係機関の情報に加え、弁護士や会計士、総合コンサルタントといった専門家の情報や判断を得る必要もあります。


4、主な見どころ:

上海に来られる方はビジネスや中国の他都市への乗り継ぎの方が多く、以外と観光される方は少ないようです。市内中心部はさほど広くなく、わずかの時間で目的地に着きます。 そこで、是非見ておきたいお奨め観光地ベスト10(市内中心部と郊外)を紹介いたします。 
(a)バンド(外灘)
・バンドは上海が租界であった頃の中心地。租界時代の石造りの建物と浦東新区の高層ビル群を一望できるここバンドは、今の上海を代表するところ。バンドは絶対に見逃せない場所だ。
(b)人民広場(上海博物館)
・北側には大きな噴水広場があり、地下にはファッション街ができ、さらに人民大道を挟んだ北側にはオペラハウス、上海市人民政府庁舎、上海都市計画展示館が完成した。方形の箱にバームクーヘンを載せたような建物は上海博物館。
(c)豫園商場
・16世紀半ばに作られた県城内の中心だったところで、旧上海城と呼ばれる。庭園を囲んで伝統的な様式のデパートなどが建ち並ぶ一大マーケット。古くから上海人の生活を支えてきたところで、チャキチャキの上海人に出会える。
(d)玉仏寺
・1882年(清の光緒8年)に仏教僧慧根によって創建された上海最大の禅宗寺院。典型的な宋代宮殿様式で、朱色の柱に橙色の壁が目に鮮やか。ここでは白玉の玉仏に会える。
(e)浦東新区の高層ビル
・従来の市街地の東側、黄浦江と揚子江に挟まれた広大な地域が浦東新区。全身メタクリックシルバーの超モダンビルの金茂大廈には88階に展望台がある。
(f)浦東高層ビル街の新しい施設
   
上海海洋水族館
浦東新区銀城北路にあり、アジア最大の海洋水族館。館内の展示エリアには300種類、1万点以上の珍しい海洋生物が展示されている。
上海野生昆虫館
陸家嘴の濱江大通りと東方明珠塔の間にあり、旅行・観賞・科学普及教育をここ1ヶ所で満たせる。国内で初めの生きている昆虫の展示館。
(g)新天地
・香港大手企業の出資で古い「石庫門」を改造し、環境保全のため、人工湖も作った。和、洋、中のレストランやライブハウスの集まる今一番ホットな観光地。
(h)上海科技館
・浦東新区に位置。ハイテクの成果を活用し、国内でナンバーワンの科学普及教育の基地。2001年のAPECの主会場にもなった。
(i)松江区方塔園
・上海市中心から西南方面へ約40キロの松江区にある公園。面積は11.5ha。花木が多い公園で、園内には小さな遊園地や湖のほか、本県ゆかりの朱舜水の記念館もある。
(j)水郷
   
朱家角
上海のベニス、郊外のハリウッドと呼ばれている。便利な交通、美しい風景、豊富な物産。上海に残された唯一の江南水郷古鎮である。
周莊
上海市中心部から車で1時間半ほどの江蘇省昆山市にあり、900年以上の歴史を誇る水郷村。国内で数少ない水郷古鎮の1つ。千軒近くある住宅の6割は明清代に建てられたのもので、どこもみな古い家屋のままで訪れる者をほっとさせてくれる。


上海及び中国に関するホームページ

日本語による代表的なホームページを紹介します。 

(1)上海生活全般
 (a)上海エクスプローラ-(http://www.shanghai.or.jp)
 (b)ウオ-カーオンライン(http://www.shwalker.com)
 (c)まるごと上海(http://www.occn.zag.ne.jp)

(2)中国全般
 (a)中国情報局(http://www.seachia.ne.jp)
 (b)新華社ネット(http://202.84.17.83)

(3)中国ビジネス関連
 [JETRO] 中国情報ページ(http://www3.jetro.go.jp/ttppoas/collection./china/)

(4)大使館、領事館
 (a)在中国日本大使館(http://www.japan.org.cn)
 (b)在上海日本総領事館(http://www.japan.org.cn/shanghai/)