最近読んだ本  (2006/2/26〜)
2006年2月4日

「武士道と英語道」  (スクリーンプレイ)  松本道弘 著

久しぶりに松本道弘氏の書籍を読んだ。 内容は氏の説く英語道を中心に、これまで氏があゆんできた英語道を究める過程でのエピソードについても多く触れられている。 

本書は2003年12月にナショナルグラフィックチャネルで放送された「サムライの秘密」という番組のDVD付き(全文スクリプトあり)となっている。 このDVDの中で、松本氏自身の英語による宮本武蔵についての解説も聞くことができる。 この番組は武士道という英語で外国人に説明するのが難しい概念を多くの映像を通してわかりやすく解説している。

松本氏には7〜8年くらい前に、大阪で行われたディベートに関する小規模のセミナーがあったときにお会いしたときがある。 とても気さくな方で、これまで多くの著書を読んできた旨を伝えると、京都在住の松本氏の知人のかたを尋ねていくように連絡先を教えてくれた思い出がある。 そのとき、意気盛んだった自分は氏に対して英語で話そうとしたが、その場の空気を読んで、結局思いとどまった。 一旦(英語の)剣をぬくとサムライになるといっていた氏のことだから、自分はスパッと切られていたかもしれない。

この書籍は巷にあふれている英語関連の書籍とは一線をかくしており、英語を柔道、武士道と同様に「英語道」ととらえて修行研鑽していく氏の心の叫びが伝わってくる。

術ではなく道を求める人向け。



2006年2月3日

「通訳席から世界が見える」   (筑摩書房)  新崎 隆子 著

最近、仕事で12時間くらい続けて半導体製品の品質に関する逐次通訳をする機会があった。

反省する点が多々あり、以前出席したことのあるセミナーで新崎さんがおっしゃられた言葉を思い出した。

通訳におけるプロとアマの違いは、その訳の商品価値で決まる。」

自分がした通訳(商品)に対し、誰かがそれに価値を見出し、お金を払うかどうかがプロとアマの分かれ道。 プロに失敗は許されない、常に一定レベル以上の仕事が求められるのがプロ。 手抜きをすると二度とクライアントからの依頼はこなくなる。 

常に一定レベルの商品を生み出していくには、日々の修行がものをいってくる。 商品の品質を維持するためには日々の品質管理が重要なのと同様、通訳者にとっては、毎日の通訳訓練、情報収集、自己の肉体的、精神的コントロールが必要となってくる。 

人間はものではなく、生身の生き物だからその質とレベルを一定に保つのは決して容易なことではないことが想像できる


この書籍を読み返して、特に印象に残った言葉が2つある。

ひとつめは、

「やりたいことなんて、そんなに簡単に見つかるものではない。 それは人生を丸ごとかけて探すものだ。わたしは通訳の仕事に生きがいを感じているが、これが本当に自分のやりたいことかどうかわからないし、その探し方も知らない。では一体どうしたらいいのだろう。わたしのモットーは、とりあえず今与えられたことに一生懸命やるということだ。熱意を持ってやれば、どんな仕事でも必ず得るものはある。」

=>どんな仕事に対しても感謝して取り組み、天職発想できるひとは成功する。 豊臣秀吉というひとは自分が与えられたポジションで転職発想し、そのポジション以上の仕事をしたため、成功につながったとなにかの本で読んだことがある。 

ふたつめは、

「確かに先輩はわたしよりずっと楽にプロになり、はるかに質の高い仕事をしておられる。だが、通訳になったことをわたしほど幸福だと感じていらっしゃるだろうか。日本語と英語を自由に使えるようになったことを、誇りに思っているだろうか。よくやったと自分を誉めることがあるだろうか。 学校で一番成績のいい生徒が、最も深く喜びを味わっているとはかぎらない。スター選手が、誰よりもスポーツの楽しさをしっているとはかぎらない。大切なのは自分にとってのGross Happiness。幸福は心の中にある。」

=>幸福感は他人と比較した相対的なものでなく、自分自身が感じる絶対的なもの。 他人がみて経済的に恵まれている人でも、その人自身が幸せに感じてなければ幸せではない。 人間は自分が幸せだと感じることができればそれで幸せ。 







「明治・父・アメリカ」  (新潮文庫)  星 新一 著




5つ星のうち5 出版は続いています!, 2004/09/30

レビュアー:   koubun (愛知県) - 自分が書き込んだレビューをすべて見る
 「西国立志篇(自助論)」(S・スマイルズ)の精神を実践した星一の半生を描いた、このすばらしい書籍は現在も出版され続けています。新潮社のホームページから「オンデマンドブックス」を選べば購入可能です。


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5つ星のうち5 この本がなぜ絶版なのか?, 2004/05/15

レビュアー:   ken11a - 自分が書き込んだレビューをすべて見る
苦境は大きければ大きいほど乗り越え甲斐があるということを教えてくれる本。星一のバイタリティーあふれる生き様を知って、挫折のない人生は逆にとてもつまらないものであろうとまで思えるようになった。金などなくても知恵と勇気と弛まぬ努力で成功への道をどんどん切り開いていくその様はまさに痛快の一言。こんなにすばらしい本が絶版とは理解に苦しむ。この本は、国語の教科書に採用され、また星一の写真はお札になってしかるべきである。






「人民は弱し官吏は強し」  (新潮文庫)  星 新一 著



星一(ほしはじめ)の物語, February 16, 2004

レビュアー:   nanpakku - 自分が書き込んだレビューをすべて見る
 言うまでも無く星新一はショートショートの第一人者だが、本書はそれらとは趣を変えた、星新一の父親を描いた一代記。

 彼の父親が明治大正期に製薬会社をやっていて、事業に失敗して現在その存在の無いことまでは知っていたが、この「人民は弱し、官吏は強し(昭和42年)」を読んで、実に陰惨な官憲からの圧力によって窮地に追い込まれたことを知り、衝撃を覚えた。

 明治から大正昭和に移り変わり、日本は徐々に国際社会から隔絶され、国内の情勢も乱れてゆく。その時期に星の父・星一は国家権力に翻弄され大敗北した。

 当時、星製薬は大企業として日本の経済、産業発展の先頭を切っていた。それが官憲になびかないという理由だけでつぶされたのである。いつの世も正論と正義感を持って善行を行おうとするものにはやっかみと妨害が付きまとうものなのかと・・・複雑な思いで読み終えた。

 本書にも登場する星と関係の深かった政治家、後藤新平の事も合わせて知るとより味わい深く読めるかもしれない。
 おすすめは、郷仙太郎「小説 後藤新平」(人物文庫 学陽書房)。


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5つ星のうち3 星一さんの本ですが星は三つで, January 6, 2004

レビュアー:   lonely_saboten - 自分が書き込んだレビューをすべて見る
子供の頃から大好きだった星新一さん。そのお父様の伝記風小説です。

理想に燃える実業家の生き様を見せ付けられます。政敵、官僚にさんざん苛められ抜き、子供の星新一さんとしては怒りに震えるはずなのに、冷静さを失うことなく描いているように思います。悲惨な話であるはずなのに、読後サワヤカなのです。まるで、星新一さんのSFショートショートのようです。怒り、絶望などのガツガツした心情を描くのは本々苦手なのかな?と思いました。

あるいは、星一という人の生き様があまりにも気持ち良いので、サワヤカなのかもしれません。

ライバル、三原作太郎の会社は何となく分かります。今でもCMでやってます。この本だけを読むと完全な悪者のようですが、果たしてどうなのか? それを考えてみるのも面白いかもしれません。


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5つ星のうち5 ただただ感動, November 22, 2003

レビュアー:   さかな - 自分が書き込んだレビューをすべて見る
大学でたまたまこの本を手に取って、無意識に読み始めたのですが、とにかく感動しました。内容的にも読み応えのある面白い本ですが、何より、主人公で著者の父である星一の言葉ひとつひとつが、すごく心に響きます。生まれて初めて、言葉というものが身に染わたっていくのをこの本で初めて感ました。

ちなみに、彼の交友関係も面白く、また彼ら(例えばエジソンや野口英世)の言葉も、彼の言葉同様、とても深いものです。
歴史好きには、学校で習わない歴史を垣間見る事が出来て面白く、また経営学に興味のある人には、経営していく勇気を与えてくれる本です。


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5つ星のうち5 どこかおかしい, July 20, 2002

レビュアー:   chimabook - 自分が書き込んだレビューをすべて見る
  
日本のシステムに対して、疑問を持たせてくれた初めての本。
自分の父親を描くにしては、ずいぶん冷静な筆致なのはすごい。
けれど、静かな語り口の後ろには、並々ならぬ、怒りを感じる。

「明治の人物誌」   




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5つ星のうち5 明治を身近に感じようお手軽歴史・人物伝, 2006/02/14

レビュアー:   寧夢 - 自分が書き込んだレビューをすべて見る
 SFショートショートの第一人者、星新一が父への思慕の念を散りばめつつ、明治という時代への尊敬と憧れを凝縮したような作品。それでいて、からりとした爽やかな語り口の人物伝に仕上がっている。これが文庫で通覧できる明治の側面かと思うと、改めて本当に安価ですばらしい1冊。
 歴史の教科書で必ず出てくる中村正直を、初めて詳しく知る事ができた。有名すぎる野口英世、伊藤博文、エジソン。お札で有名になった新渡戸稲造の恋愛譚には驚いた。全く知らなかった弁護士、花井卓蔵の業績、はちゃめちゃな貴族の後藤猛太郎。
 その他、馴染みのない人々も星新一の語り口にかかると、おじいさんが昔話をしてくれるように、身近に生き生きと感じられるから不思議である。本来伝記とはこのようにして、わかり易く親しみ易く次の世代に読み継がれ語り継がれていくものだなあという事を、実感させてくれる一冊でもある。
 大人向けの、やや枯れた味わいのある歴史文学としても楽しめる1冊を、是非堪能して頂きたい。


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5つ星のうち4 <人類のために生ける彼は、人類のために死せり>, 2005/06/25

レビュアー:   佐藤さえ (岩手県) - 自分が書き込んだレビューをすべて見る
  
 作者の父星一が直接かかわったり、星一におおきな影響を与えた明治時代の人物達の短い伝記を集めた本です。

 私が面白かったのは、小学生のころに読む本などに出てくる有名人達が、生活をして友達と語る様子が淡々と描写されている場面です。
 野口英世と星一が東北弁で語らったフィラデルフィアの夜。
 「専門センスではいかんよ、コモンセンス(常識的)でなくては」
が口ぐせの新渡戸稲造。 
 「わたしの発明したもののなかで、蓄音機がいちばん好きだ。」
と語る難聴のエジソン。
 「はい。日本の役所ではわたしが上司ですが、ここでは北里君の弟子になります」
とコッホの元で細菌学を学ぶ後藤新平。
 
 普通の伝記では、どうしても主人公が善としていろんな言い訳がましい解説がついたりして、真実味や人間味が薄れてしまうものです。
 しかし、この本は簡素で的確な描写のため、
「ああ、本当にこんな偉人達がいたんだな」
と、感慨深く読みました。


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5つ星のうち5 父への思い, 2005/02/09

レビュアー:   nanpakku - 自分が書き込んだレビューをすべて見る
著者の父君が生前に交流があったり影響を受けたりした著名な明治人たちを、伝記風に紹介した一冊。
中村正直、野口英世、伊藤博文、新渡戸稲造、エジソン、後藤新平など、歴史に名を残す人物たちを著者独特の語り口で紹介しつつ、父君「星一」の生涯をたどる。
星さんの父への思い、そして明治という時代への温かいまなざしがとてもよく伝わってくる内容です。
ショートショートの名手、「星新一」が残した最後の新潮文庫です。


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5つ星のうち5 良質かつコンパクトな偉人伝, 2003/12/16

レビュアー:   - 自分が書き込んだレビューをすべて見る
野口英世や伊藤博文、新渡戸稲造、エジソン、花井卓蔵、後藤新平、杉山茂丸(夢野久作の父)など、明治の偉人の生涯を、それぞれ30ページほどにまとめた伝記です。通して読むと、著者の父、星一氏の伝記にもなっています。努力の大切さを教えてくれて、読むと元気がでます。優れた自己啓発本とも言えるでしょう。